Vol.44) 短所をなくそう!
以前、ある指導者とこんな話題になりました。
『今の子は、褒められないと頑張れない…。アメリカ・ヨーロッパでの風習が日本にも上陸したのでしょうか? 僕は、ヨーロッパでの卓球生活を何年もしていましたが、日本人には日本人の指導が一番なような気がします。そして、褒められることに慣れていないからか、満足し更に一歩先に進むということをしなくなっているような気がしてなりません…。日本には日本の指導法があり、日本人には日本人の良さというものがあるのではないでしょうか!?』と。
『 どんどん長所を伸ばして、強くしてください! 』と良く言われます。
逆を言えば、短所には目をつぶっていてください。とも言えるのではないでしょうか…。
試合になると相手は、必ず弱点を探り、そして狙ってきます。
相手が強くなればなるほど、簡単に弱点を見破られます。だから、強い選手たるゆえんなのです。
相手の弱い技術と自分の強い技術で戦えば、勝つのは必然なのですから…。
【 短所が招く悪循環としての例 】
もの凄くフットワークのいい選手がいます。
ラリーになれば、どんなボールにも対応でき、素晴らしいフットワークで攻撃をしていきます。
しかし、レシーブができません…。レシーブが苦手なのがその選手の短所であり弱点です。
そうすると、試合ではレシーブばかりが気になってしまい、フットワークを活かしたラリーには全くならないのです。
また、このコンプレックスがサービスにも影響してきます。サービスの時に点数を取らないと、レシーブで点数を取られてしまう…、だから無理をして攻撃、そして凡ミスを繰り返す…という悪循環になっていくのです。
【 気持ちのいい練習 】
練習でも同じです。短所に目をつぶることにより、ラリーの練習ばかりが増えてきます。
しかし、試合が始まるのは全て、サービス&レシーブなのでこれを疎かにしては、ラリーに至らないのです。
気持ちのいい練習は試合前の時だけで、普段は頭が痛くなるような、心が折れそうになるような、そんな練習の方が実は効果があるのです。
【 短所だと思ったことは、克服する努力を怠らないこと! 】
中国では、“ 苦手な技術をできるまでやる日 ”があると聞きました。
できるまでエンドレスでやり続けるそうです。深夜になるか、明日になるかもわからない。そういう練習を積み重ねてきて、世界のトップに君臨し続けているのです。
また、そういう努力は選手の励みとなり、いつまでも記憶として残っているものです。
高みを目指す選手であれば、小さい短所・弱点にも神経を使い練習に励んで
ください!